OKXが米国での無許可送金業を認める
海外大手暗号資産(仮想通貨)取引所OKXの関連会社が米国におけるマネーロンダリング防止法違反を認め、約5億500万ドルを支払うことに同意したと米司法省(DOJ)が2月24日に発表した。
セーシェルに拠点を置くOKXの関連会社であるオ・カイ・フィンテック(Aux Cayes FinTech)は、無許可の送金業務を行ったとして1件の罪状を認めた。
同社は、マンハッタンの米国地区裁判所判事であるキャサリン・ポルク・ファイラ(Katherine Polk Failla)氏により、判決が言い渡された。
同社はDOJに対する、8,440万ドルの刑事罰金支払いと、当該違反期間中に米国顧客から得た約4億2,030万ドルの刑事没収について同意した。またOKXは、昨年初めに採用した外部のコンプライアンスコンサルタントを2027年2月まで雇用し続けることが義務付けられた。なお同社は捜査協力したことが評価されたとのこと。
コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)によると、OKXはトラフィック、流動性、取引量、報告された取引量の正当性に対する信頼に基づき、世界で4番目にランク付けされた暗号資産の現物取引所である。バイナンス(Binance)、バイビット(Bybit)、コインベース(Coinbase)がそれより上位にランクされている。
検察官によると、OKXは2018年から2024年初頭までの期間にかけて、米国在住者がOKXのプラットフォームを利用することを禁じる自社ポリシーに違反していたという。これにより50億ドル以上の疑わしい取引や犯罪収益の促進にOKXが利用されていたとのこと。2017年頃のOKXの設立から2022年11月頃まで、OKXは個人顧客がKYCプロセスを完了せずとも利用できるようにしていたという。
またOKXは米国の顧客に総額1兆ドル以上の取引を行わせ、数億ドル規模の手数料や利益を生み出すとともに、時には顧客に規制回避を促したと検察官は述べた。
KYC(身元確認)を顧客へ義務付けした後も、ある従業員は顧客に対し、「アラブ首長国連邦に拠点を置いている」と申告させ、ID ($0.02)番号はランダムな数字を使用するよう指示したとのこと。
さらに検察官は、OKXがマンハッタンで開催されるトライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival)のスポンサーを務めるなど、米国内でも自社をプロモーションしていたと述べた。
Aux Cayes FinTechは声明で、米国顧客による不適切な取引を認め、それを「従来のコンプライアンス上の欠陥」に起因すると説明した。また、米国の顧客はOKXの顧客全体のわずかな割合であり、現在はOKXのプラットフォームには存在しないとも述べた。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
US says OKX crypto exchange operator enters $505 million guilty plea
(Reporting by Jonathan Stempel in New York; Editing by Anna Driver)
参考:OKX・DOJ
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters
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